Androidスマホの中でRを動かす

あきる（paithiov909）

みなさん、

「俺のAndroidの中では
　Rが動くんだぜ！！」

というネタをしたいと思いませんか？

必要なもの

  • 充分な作業時間
  • スマホ（Android 5.0以上, SoCがAArch64, ARM, i686, x86_64 いずれかのもの）
    • 数GBくらいのストレージ容量
    • ここでは「Xperia XZ1（SoC: Snapdragon 835 (=AArch64), メモリ: 4GB）」で試しています
    • 時間かかる&ストレージ容量を食うので、普段使っていないスマホがよさそう
  • WiFi
  • PC（SSHクライアント越しに作業するとキーボードが使えて楽）

スマホでRを動かすための構成

  1. Termux
  2. proot-distro
  3. Debian

Termux

  • 端末エミュレータとLinuxライクなシステム環境がセットになったAndroidアプリ（野良アプリ）
  • F-Droidというアプリマーケットからインストールする

proot-distro

  • PRootというプログラムをTermux上で動かせるようにしたもの
  • ArchLinux, Fedora, Debian, UbuntuなどをTermuxのなかで動かすことができる

Termux via OpenSSH

$ pkg update # `apt`の代わりに`pkg`を使う
$ pkg upgrade
$ pkg install openssh iproute2

$ ip -4 a # スマホのIPアドレス確認
$ id # ユーザー確認 uid=xxxxx(u0_axxx)を探す/u0_axxxがユーザー名
$ passwd # パスワード設定
$ sshd # OpenSSHサーバーの起動
# $ pkill sshd # SSHサーバーの終了 Termuxアプリを閉じるでもよいと思う

PRootとLinuxディストリビューションの導入

$ pkg install proot proot-distro
$ proot-distro install debian
$ proot-distro login debian --isolated # rootでログインする

# $ proot-distro login debian --isolated --user <ユーザー名> # ユーザーを作ってからはこっち
# $ proot-distro reset debian # Linux環境のリセット
# $ proot-distro remove debian # Linux環境の削除
  • LinuxディストリビューションはUbuntuなども選べる
    • スマホのアーキテクチャにあわせて、Rをインストールしやすいものを選ぶのがコツ
  • ArchLinuxでは、Rパッケージの読み込み時にターミナルが反応しなくなることがある
    • proot-distro login archlinux --no-link2symlinkというオプションが必要？

Debianのセットアップ

$ apt update
$ apt install wget vim sudo # 必要そうなものを適当に入れる
$ apt install r-base
# $ apt install r-cran-tidyverse # ストレージを大量に消費するので、Rを試したいだけなら不要
  • あとは普通にLinuxの環境を整えるのと一緒です
    • 必要なものをインストール、ユーザーをつくる、sudoerに追加...
  • Debian Packages of R Softwareの説明にしたがって最新のRを入れようとすると、AArch64向けのバイナリがないらしくて入らない
    • Debianの公式リポジトリにあるちょっと古いやつなら入れられる
    • apt install r-cran-*で入るRパッケージについては、aptでインストールしたほうがトラブルが少ないはず

Pros

  • スマホでRが動くと自慢できる！！

Cons

  • グラフィックデバイス周りはよくわからない
  • 遅いので実用上は使えません

Enjoy!! 😉🥰😎